なぜ研究発表会としたか?

 

 

響友会は昭和22年12月創立以来、ほぼ毎年のように「第○○回研究発表会」というユニークな演奏会名で演奏会を開催して参りました。

  

この由来は定かではありませんが、第2回研究発表会(1949年12月 ハイドン「四季」北海道初演)の際に、初代指揮者 牧野 統は下記のように述べております。

  

『北海道初演である所の「四季」全曲演奏がなされる運びになった事は、限りない慶びであり感慨無量なるものがあります。

 

勿論 この試みが私共の会にはまだまだ無理である事は充分考えられましたが、合唱団の諸君が「断片的な勉強、おたのしみの集い」から離れて真剣な芸術の勉強をやろうとする意気込みに信頼して準備にとりかかりました

 

思い起こすと正に必死の勉強でありました。

 

全曲ピアノ伴奏される市村悦子氏の苦労、又三人の独唱者、独逸語第一歩からの勉強、二百余頁のスコアのプリント等会員の努力は涙ぐましいものがありました。

 

私自身も各合唱パート、独唱パート、伴奏と、指導勉強に追われ、こういう作品の指揮の難しさを悟った次第であります。

 

種々の困難を克服して漸くこの処まで来ました私共と致しましては、等しく良い勉強をしたと云う気持ちで居ります。

(第2回プログラムより抜粋)』